書籍

俵万智さんの『サラダ記念日』を改めて読んでみた!【絶賛】

俵万智さん、ご存じですか?

どうも、オカモン(@okamon55)です。

今回は、最近読んだ本(というか歌集)を紹介します。

俵万智さんの『サラダ記念日』です。

初めて目にしたのは高校生の時、あれから30年経ちましたが更に味わい深く、趣を感じながら読むことができました!

せわしない世の中に一瞬のオアシスのような、純粋で透き通った空気感を味わうことができますよ!

俵万智さんって?

大阪府出身の歌人です。

与謝野晶子以来の歌人とも言われています。

早稲田大学在学中のアナウンス研究会ではフジテレビの軽部真一アナウンサーと同期、卒業後は高校で国語の先生をしていました。

角川短歌賞を受賞するなど、「サラダ記念日」発行前から奔放で斬新な表現が話題となり、新しい現代短歌の先駆けとして、後に続く歌人に影響を与えています。

プライベートでは未婚のままシングルマザーとして男の子を育てています。

2011年に東日本大震災で被災したため、仙台市から石垣島を経て現在は宮崎市に移住しています。

オカモン
オカモン
九州ローカルの番組ではお見かけしますよ

若い世代にはあまり知られていないかもしれませんが、40代以上の世代だと知らない人はいないと思います。

そんな彼女はこれまで数多くの歌集やエッセイを世に出していますが、その中でも特に有名なのが『サラダ記念日』なのです。

歌集 サラダ記念日

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

歌集のタイトルにもなった短歌です。

1987年に第一歌集として434首を収録して発行され、歌集としては異例の280万部というベストセラーとなり社会現象を起こしました。

オカモン
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私は当時高校生、もちろん買って読みました

口語短歌と言われ、日常会話で使われるカタカナを五・七・五・七・七の中に巧みに織り交ぜ、親しみやすい歌風が特徴的です。

オカモン
オカモン
こんな短歌があるのか!と衝撃を受けた記憶があります

サラダ記念日の魅力

既存の短歌にはない自由奔放さがあり、日常のありふれた情景をうまくとらえて、心のときめきや恋の切なさ、ほほえましさや寂しさなどを31文字の中にちりばめ表現しています。

「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ

例えばこの歌では誰が「寒いね」と言い、誰が「寒いね」と答えたのか関係性が特定されていません。

親子かもしれませんし、友達かもしれません。

しかし、この歌を読んだほとんどの人が想像する関係性は「恋人」のあたたかさではないでしょうか。

歌だけでなく、みんなが共通のものとして歌の背景にあるイメージまですぐに頭の中に浮かぶのが最大の魅力です。

オカモン
オカモン
静かな海辺でのんびりと波の音を聞きながら読みたいですね

なぜ七月六日がサラダ記念日なのか

これについては俵万智さん自身が明らかにしています。

「七月六日だったわけでも、サラダだったわけでもない。」

-実はサラダではなかった
鶏の唐揚げを、ちょっと工夫してカレー味にしたら「お、これいいな」とボーイフレンドに褒められて嬉しかった。そんなささやかなことがきっかけで、こういう気持ちを短歌にしたいと思いました。
でも、鶏の唐揚げじゃヘビー。
もう少し軽やかなものがいいかなと思いサラダが浮上。
豪華なメインディッシュが美味しいのは当たり前だから、そうでないサイドのもの、という点も大事。

-七月六日の理由
次に記念日の制定に入るわけですが(笑)サラダが美味しいのは、野菜に元気が出る初夏。
六月か七月か。サラダのS音との響きあいを考えて、月は「七月」に決定。
では七月何日にしようかという時に、まず思いついたのが七夕。でも七夕やバレンタインやクリスマスは、多くの恋人たちにとっても記念日。
そうでなく、普通のなんでもない日をこそ記念日って思える歌にしたい。
で、一日前の普通の日、六日になりました

俵万智さんのツイッターより引用

元々は唐揚げだったんですね(笑)

いや、それでも想いが伝わってくるすばらしい歌になっています!

サラダ記念日が与えた影響

寅さんシリーズの映画タイトル「男はつらいよ寅次郎サラダ記念日」ってありましたね。

楽曲ではDREAMS COME TRUEの「あなたにサラダ」なんて、サラダ記念日の影響そのものです。

オカモン
オカモン
この曲もまたいいんです・・・

おわりに

改めて読んでみて、甘酸っぱい感情など、若かりし頃がよみがえるような感覚になりました。

しかし、自分が年齢と経験を重ねることによって、当時では気づけなかった深い味わいのある表現や心情を汲むこともできるようになっていました。

心に響き、心に届きやすい簡単・簡潔な言葉でもって短歌を仕上げていて、また新たな発見があります。

時代を超えても色あせることなく読み続けられる作品、間違いなく名作です!

俵万智の歌集まとめ

・第一歌集 サラダ記念日(1987年)
・第二歌集 かぜのてのひら(1991年)
・第三歌集 チョコレート革命(1997年)
・第四歌集 プーさんの鼻(2005年)
・第五歌集 オレがマリオ(2013年)
・第六歌集 未来のサイズ(2020年)

ABOUT ME
オカモン
1971年、山口県生まれ。 膝の痛みに耐えつつも、大好きなサッカーだけはやめられない諦めの悪い性格。 家族は妻と一男一女。 現在は福岡県在住。