近年、梅雨や夏の時期になると豪雨災害が毎年のように日本のどこかで起こりますよね。
そして最近、よく耳にする言葉があります。
線状降水帯
(せんじょうこうすいたい)
この記事では、線状降水帯について知っておくべき4つのことを書いていきます。
・線状降水帯とは?
・線状降水帯の発生メカニズムは?
・線状降水帯って予測できる?
・線状降水帯が発生した時の行動は?
知識武装をして、少しでも災害から身を守れるようにしましょうね!
線状降水帯とは

一言で言えば、積乱雲が線状に並ぶことですね。
線状降水帯の規模としては、幅が20~50km、長さは50~300kmにもなります。
平成26年(2014年)8月に発生した広島市の土砂災害以降に用いられるようになったと言われていますね。
線状降水帯による被害
次に挙げた災害が線状降水帯によるものだとされています。
・平成24年7月 九州北部豪雨
・平成25年8月 秋田・岩手豪雨
・平成26年8月 広島市の土砂災害
・平成27年9月 関東・東北豪雨
・平成29年7月 九州北部豪雨
・平成30年7月豪雨(西日本豪雨)
・令和2年7月豪雨(熊本・中部地方など)
線状降水帯の発生メカニズム

実際のところ、発生メカニズムは解明されていないようです。
ただし、線状降水帯が発生しやすい条件が4つあります。
➀ 雲の元となる温かく湿った空気の流入
➁ その空気が山や冷たい前線とぶつかるなどして上昇
➂ 積乱雲を生みやすい不安定な大気状況
➃ 積乱雲を流しては生む一定方向の風
ゲリラ豪雨との違いは?
ゲリラ豪雨は1つの積乱雲によって発生します。
10km四方ほどの狭い範囲で局地的な大雨をもたらしますが、1時間程度で収まります。
線状降水帯はゲリラ豪雨の行列のようなイメージです。
線状降水帯の予測

現状では発達した積乱雲が連なる線状降水帯の発生を事前に予測するのは難しい、とされています。
しかし気象庁は2021年の夏から、発生を伝える新たな情報【顕著な大雨に関する気象情報】を出す方針です。
線状降水帯の発生をいち早く伝えて避難行動を促すもので、『大雨特別警報』より2時間早く、『氾濫発生情報』より3時間早く発表できるとのこと。
まずは線状降水帯が多発する九州での予測を目指し、観測船を東シナ海に派遣しています。
そして2022年の梅雨前には、発生半日前の予報を始める予定。
線状降水帯による災害時の行動

もし線状降水帯が自分の住んでいる地域に発生したら、どんな行動を取ればいいでしょうか?
実は2021年5月20日から、避難情報に関するガイドラインが変更になり、『避難勧告』の指示が廃止されました。
<内閣府防災情報のページより>
想像してみましょう・・・。
・目も開けられない大雨が降り
・傘なんて全く役に立たず
・足元もゆるく道路が川のようになり
・必要な荷物を持ち
こんな状況ですばやく避難できますか・・・?
まとめ

この記事は、線状降水帯について書きました。
・積乱雲が線状に並ぶと同じ場所に長時間にわたり災害級の大雨が降る
・現時点では線状降水帯の発生予測は難しい
・災害時は早めの避難行動を
日頃から避難場所の確認や、ハザードマップの確認をしておきましょう。
場合によっては、自宅にいた方が安全なこともあります。
自分の身を守るため、総合的な判断が必要です。
どうやって災害情報を得るか、また情報の取捨選択が重要になりますね!